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殺鼠剤中毒は、ネズミ駆除のために設置された薬剤を直接摂取した場合だけでなく、殺鼠剤を食べたネズミを捕食することで発症することもある中毒です。特に屋外へ出る猫や狩猟行動を行う猫では注意が必要です。
殺鼠剤にはさまざまな種類がありますが、臨床現場で最も問題となるのは抗凝固性殺鼠剤です。
抗凝固性殺鼠剤は血液凝固因子の産生を妨げ、出血傾向を引き起こします。摂取直後には症状が現れないことが多く、通常は2~5日程度してから発症します。
症状としては元気消失、食欲不振、粘膜蒼白、胸腔内出血による呼吸困難や消化管出血による黒色便、皮下出血、鼻出血などが認められることもあります。重症例では大量出血によるショック状態に陥り、生命に関わることがあります。
治療は摂取から間もない場合には催吐や活性炭投与が検討されますが、猫では催吐処置が難しい場合があります。
発症後は解毒薬であるビタミンK1の投与が中心となり、第二世代抗凝固性殺鼠剤では数週間にわたる投薬が必要になることがあります。
重度の出血や貧血がみられる場合には輸血や酸素吸入などの支持療法も実施されます。
近年では抗凝固性以外にも、神経症状を引き起こすブロメタリンや、高カルシウム血症による腎障害を起こすコレカルシフェロール(ビタミンD3)製剤などの殺鼠剤が使用されています。
これらは治療法や異なるため、可能であれば摂取した製品名や成分を確認することが重要です。








