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毛周期停止とは、被毛の成長サイクル(毛周期)が正常に進まなくなり、毛が抜けたまま再生しなくなる状態を指します。犬では特にポメラニアン、チャウチャウ、キースホンド、アラスカン・マラミュートなどの北方犬種や、トイ・プードルでみられることがあります。原因が完全には解明されていないため、「アロペシアX」や「成長ホルモン反応性脱毛症」などの名称で呼ばれることもあります。
正常な毛は、成長期、退行期、休止期を繰り返しています。しかし毛周期停止では、多くの毛包が休止期にとどまり、新しい毛が生えてこなくなります。その結果、左右対称性の脱毛が徐々に進行します。
主な症状は、体幹部や首、尾の脱毛です。一方で頭部や四肢の先端は比較的毛が残ることが多く、皮膚の痒みや炎症はほとんどみられません。
診断では、まず甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)などの脱毛を起こす他の内分泌疾患を除外することが重要です。血液検査やホルモン検査を行い、必要に応じて皮膚生検による病理組織検査を実施します。
治療法で確立されたものはありませんが、メラトニン製剤やトリロスタンなどが使用される場合があります。近年ではマイクロニードリング(皮膚に微細な刺激を与える治療)による発毛効果も報告されています。
毛周期停止は見た目の変化が主な問題であり、多くの場合は犬の健康状態や寿命に大きな影響を与える病気ではありません。ただし、類似した症状を示す内分泌疾患の中には治療が必要なものもあるため、脱毛がみられた場合は原因を正確に診断することが大切です。適切な検査によって他疾患を除外し、飼い主と相談しながら治療や経過観察を行うことが重要です。








